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Stickcamの有償サービス StreamAPI と PayPerLive

以前、Ustream.tvの有償サービスについて書きましたが、Stickcamの方にも有償サービスがあります。Stickcamは、日本だと スティッカムジャパン! (Stickcam.jp)とサービスが分かれています。こちらの運営元でも有償サービスを提供していますが、詳細は公開されていないので、本国Stickam USAを提供する Advanced Video Communications のサービスについて説明します。

提供している課金サービスには2種類あり、1つは、ホスト(配信者)への課金モデル、そしてもう1つはホストへの課金に加え、ゲスト(視聴者)への課金サービスを提供するそこからもフィーを得るものです。前者はUstreamのwatershedと同様ですが、後者は有償ライブなんかをやりたい場合に、ユーザへの課金の仕組みまでを提供してくれるもので、このモデルは用途によっては非常に有用かと思います。

データ転送量ベース課金のStreamAPI

まずは、普通の課金モデルであるStreamAPIです。名前がイケてないけど、そういうプロダクト名です。

watershedのように、固定+従量プランや、たくさん使うと割安になるような価格体系ではなく、「1GBあたり45セント」というデータ転送量を基にしたフラットなレートで、シンプルに計算することができます。
視聴者数x時間 (=viewer hours)で計算するwatershed*1と異なり、さらにそこにビットレートを掛け合わせているということですね。配信動画のビットレートをフレキシブルに指定することができるためにこのような価格体系になっているのだと思われます。

金額概算

金額がどうなるかはPricingのページで概算を出せます。
ここで示されているビットレートは、

  • FullHD: 1024kbps
  • High: 512kbps
  • Medium: 384kbps
  • Low: 256kbps

の4パターンで、独自にビットレートを指定もできますが、参考となる値だと思います。
たとえば、256kbpsで1時間1人に配信した場合、

price

ということで、0.05ドル。watershedより安いラインです。HD配信しても、これの4倍なので0.2ドル/viewer hourですね。

なお、プレミアムサポートを付けると10%増しとなります。プレミアムサポート分の金額が100ドルを超えない場合は100ドルに切り上げとか。プレミアムサポートには、「月曜から金曜の9:00-18:00 (太平洋時間)に、2時間以内での電話での返信のサポート」と書いてあります。プレミアムという割には土日休みだし、プレミアムじゃないとどのくらいサポートされるのかむしろ不安になる説明ですね。

watershedとの違い

細かい説明は、別エントリにするということにして、watershedとの違いという観点から言うと、プレイヤーのデザイン面が大きく違うと思います。

  • watershedは、Flashで自由にプレイヤーを作れるが、逆にFlashで作らないと自由度が低い
  • StreamAPIは、Web UIでプレイヤーをある程度自由に作れる

という感じかなと。
企業で、キャンペーンなどに使うなどであれば、Watershedの方がよい感じがします。

画面の作成

ストリーミングを始める前にテーマエディタでテーマを作成します。ゼロから作るほか、テンプレートがいくつか用意されているので、それをそのまま使ったりベースにして直したりできます。
用意されているテンプレートはこのような感じ。Ustreamと違ってまず解像度がフレキシブルです。また、ものすごいマルチカメラのやつとかあります。これは、Ustream.tvのWatershedもそうですが、一方的なライブ配信だけでなくて、複数拠点やソーシャルなビデオ配信も考慮されている感じです。

theme-editor-templates
エディターはこんな感じ。要素はある程度決まっているので、位置などは変更できても、ディテールの修正とかはできない。ライブ動画 (ホスト側とゲスト側)とチャットウィンドウ、チャット発言のテキストボックス、ログインユーザ一覧、と各種ボタンを配置していく感じです。
theme-editor2
各要素の背景色は白か透明かしか選択できないという感じですが、プレイヤーの背景画像にそのあたりを作り込んでしまえば綺麗になると思います。
theme-editor-bg
動画ごとのクオリティ設定もここからできます。
theme-editor-video

有料ライブでの利用を目的としたPayPerLive

続いて、ホストへの課金に加え、ゲスト(視聴者)への課金サービスを提供し、そこからもフィーを得るシステムが、PayPerLiveです。

なにかを有償で配信しようとしたとき、配信サービスを利用して、そして、課金サービスを利用して、となると、支払った人がライブを閲覧できるようにサービスの連携が必要になります。それって、面倒だよねー、と最初から両方をセットに提供するというのが、このサービスです。
メリットとしては、その他に、ゲストの課金からも一定割合の手数料を取るために、月額の利用料が安く抑えられ、少人数でも黒字を確保できて、リスクが低くなるというのもあります。

料金プランは、詳しくはサイトを見てください。

Silver (月額19ドル)、Gold (39ドル)、Platinum (79ドル)の3プランがあり、高いと独自ドメインが持てるとか、できることが違ったり、チケット販売に対する販売手数料の割合の違いなどがあります。

試してみたいけど、セットアップに50ドルかかるというのが、辛いところ。支払い方法がどうなっているかとか、いろいろ分からないところが多いです。

ということで

Ustream.tvの有償サービスより割安感のある StreamAPI と、動画配信とユーザ課金システムを両方提供してくれる PayPerLive の概要について説明しました。
普段は、Ustreamでやってて、有償のサービスを使う機会というのが無いのですが、いつか実際に使ってみたいものです。

*1:watershedもUstream同様のインターフェイスでVideo Quality / Audio Qualityを変更することでビットレートを変更できますが、bitrateを入力して指定といったことは今のところできませんが、Adobe Media Encoderだとそのあたりも設定できるような気がしますが、どこまで許容しているか不明です。