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LLFuture撮影チームまとめ資料

ずいぶん前になってしまいましたが、LL Futureでの動画撮影についてまとめます。

2008年8月30日に開催されたLL Futureで、撮影班として、cojiさんと動画撮影を行いました。クロージングのムービーでもアナウンスされたように来年も同じ会場で開催されるということもあり、今回の撮影について記録を残すことで、まず来年に役立てればと思います。(というか自分たちが忘れないこと) そして、同じように撮影や配信をされている方の参考になれればと思います。

プロジェクタ、カメラ配置

プロジェクタケーブリング、カメラ配置

  • プロジェクタ (会場貸し出し)
    • プロジェクタは、9列目センター(26, 27)の座席前に設置される。
    • プロジェクタまでの配線は、ステージ上のPC切り替え器から、D-sub → 5BNC変換器(会場備品)を経て、5BNCケーブルでケーブリング
  • 撮影席
    • プロジェクタの左右2席ずつを撮影席として確保し、2台のカメラを左右に配置
    • 撮影用にPAからの音声出力を別途プロジェクタの位置まで引いてもらった (小山さん依頼/有料)
    • 電源は、プロジェクタ用に引かれている電源ドラムを利用
よかった点
  • 観客が映像にかぶるということがなかった
  • 遠からず近からずの距離であった
問題点
  • プロジェクタ側がVGAでないため、撮影席でTwinPactを接続できなかった。
    • そのため、Twinpactはステージ脇でMacBookでのスクリーン録画に利用。撮影者が近くにいられないのでまずかった
  • 撮影者がプロジェクタの左右に座ると、邪魔で撮影中のコミュニケーションが取れない
    • 並んで座るもしくは、IRC等のコミュニケーションを用意すべき。但し、並んで座ると、会場の質問者の撮影などで大きくパンするときにカメラがかぶる可能性が高い。
  • 10倍ズームで被写体に寄り切れなかった
    • が、この位置でないと、スクリーンを挟んで、左右に座っている映像が撮れない。カメラ自体の性能の問題。
  • 左右のパンだとかカメラ操作が不慣れ。素人><

撮影機材の接続

撮影機材
今回は、スクリーンを撮影するカメラと、話者のアップを撮影するカメラと、2台構成で撮影を行い、後で動画編集で合成しています。機材については、Xactiを2台で、同じ音声を2台共に入力しています。これにより、バックアップ及び、動画編集でタイミングを合わせるためのマーカー代わりになります。本当はリアルタイムで合成できるといいのだけれど、機材がなぁ。
音声は、プロジェクタ横までPA音声を引いてもらっていたのをミキサーに入力し(端子はキャノンオス)、分配しています。Xactiがマイク入力端子しか無く、抵抗入りケーブルの準備もなかったので、わざわざワイヤレスマイクのHM-W300を挟んでいます。

2台のカメラへの音声出力
同じレベルで同じ機材に出力を流すのにはこうする必要があった
PA卓からの音声出力
入力はキャノンオス

(参考) プロジェクタの入力IF

プロジェクタ入力
DVI入力はあるものの、5BNCで接続。

撮影について


司会者席
▲左側演台が司会者席
法林さんアップ
▲司会法林さんアップ (実際のビデオ映像)
撮影開始時、最初に司会の法林さんが下手の司会者台でセッションの説明を行うので、2カメラ共に、法林さんのアップから始める。その後、1台は話者、もう1台はスクリーン撮影に入る。頭部分を合わせておくことで、編集時にビデオを同期させやすくなる。

話者の撮影

スクリーンや話者アップで大きく動いてしまった場合は、オートフォーカスが誤動作を起こす。(基本的にXactiがあまり頭が良くなさげ) そのため、ピントが合ったタイミングでフォーカスロックをかけるようにする。

スクリーンの撮影

これはどのカメラを使っていても同様だと思いますが、スクリーンだけを撮影していると、白紙に近くなったりや、デスクトップなどピントを合わせる要素が少ない場合にオートフォーカスがピント合わせに入り、結果映像がぼけてしまうということが起きます。そのため、オートフォーカスは外しておく、もしくはAFロックで固定しておく必要がある。
同じく、手ぶれ補正についても、ピント合わせと同じ原理なのかなと思いますが、有効にしていると逆に小刻みにぶれてしまうという状態が起きるようですので、これもオフにしておく。

スクリーン撮影では以下を確認する

  • 手ぶれ補正をオフにする
  • スクリーンで一度ピントが合ったらAFロックする
    • 最初のタイトルスライドであれば、タイトルが大きく表示されピントも合わせやすいので問題無いと思います
音声

Xacti HD-1000の外部音声出力端子にイヤホンを挿すと、録画時に音声がモニタできるので、音が割れないか確認できる。但し、ボリュームの調整はできないし、本体側にゲージも無いので適正なレベルであるかは分からない。
話者によって、音量が異なるため、ミキサーのピークランプが点灯している場合などは、必要に応じて、ミキサー側で微調整する。

問題点
  • Xactiの音声の入り具合が確認しづらかった。
    • 時間が足りず、最初はばたばただった。
  • 音声のテストがきちんとできなかった
    • 開始までBGMもしくはアナウンス音声を流してもらえると助かるかも

ステージ側機材

ステージ側では、パネル形式でのPC映像のスイッチングのために、ビデオ切り替え器を用意。また、プロジェクタ映像の記録のためにTwinPactをかまして、MacBookで録画しました。

バックステージ機材 (映像)

PCの音声出力を使いたいときのために、以下の機材を用意していました。PCの音声をそのままPAに入力すると危険なので、ステージ脇にミキサー(会場有料貸出品)を用意。利用頻度が低いため、ケーブルの引き回しを考慮し、HM-W300でワイヤレス接続にしています。

バックステージ機材 (音声)

Xacti HD-1000について

先日のOSCでの勉強会大集合のセッションを、Xactiと普通のビデオカメラ両方で撮影していたのですが、やはりカメラとしての基本性能の弱さを感じました。

オートフォーカスが弱め

講演者のアップを撮影する場合は、ノートPCや背景にフォーカスが合い若干ぼけてしまうということがあります。構図的にフォーカスが合わせにくく、たとえば黒バックの背景にフォーカスを合わせようとAF動作を繰り返すなどで、ぼけてしまうことがあります。距離が近く、照明条件がよければ、顔認識ピント合わせでそれなりにできるとは思いますが、遠目で明るいことからいまいちの結果でした。
カメラを話者に合わせてピントが合ったタイミングで、AFロックをかけて、無駄なAF動作を抑制していましたが、ボタン操作をするとカメラが微妙にぶれてしまうのが気になりました。

露出が固定できない

きちんとしたステージのため、講演者はだいたい同じ明るさで全員照明があたっており、明暗の差を考える必要はあまりないです。しかしながら、バストアップで黒バックという構図上、明るくなりすぎる、逆に暗くなるという問題が起きていました。ちなみに全体のバランスで明るさが調整されるため、MacBookの黒だと明るめに、白やAirだと暗めになったり、講演者のノートPCの色に左右されたりします。

Ustream中継は厳しかった

macbookの内蔵カメラ + マイクということで、映像は小さく、音は悪く見られた方はかなり厳しいかったと思います。動画記録があくまでメインということで、こちらに力を入れられなかった点ご理解ください。
E-mobileでUstreamを行っていたのですが、ホール内という電波の入りが悪く、参加者の方で同じくE-mobile利用の方も少なくないと思われ、その影響で、上り回線が十分に確保できませんでした。有線ネットワークは会場には用意されてないのでこの点については改善は難しいです。
会場の設備が把握できたので、来年もやるのであれば多少ましな状態にできると思います。

ホールモニタ映像+音声を配信に使えばよかったかも

会場に来られた方は見られたと思いますが、ステージ全体を映すモニタがホワイエにありました。控え室にもあったと思います。音声も流れているので、これを配信に使うとよかったかもと終わってから気づきました。ステージ全体は見られるものの、プロジェクタ映像が小さめなのが厳しいかもですが。。
モニタは、映像: RCAピン、音声: キャノン→RCAピン変換で接続されていました。人員が必要ですが、TwinPactを噛まして控え室で中継とかできそうです。そうすると、ホール内の電波が弱い問題も多少は解消するかもしれません。

機材セット

思いつくままに、主な機材はこんなもの。初めての会場で撮影を行う場合は、ありとあらゆるケーブルを持参していくこともあり、結構な量になります。

  • Xacti x 2
  • HM-W300 x 3 (カメラ用 x 2、ステージ用)
  • MacBook x 2 (配信用1、録画用1)
  • ミキサー x 2 (プロジェクタ脇、ステージ脇)
  • 三脚 x 2
  • VGA切り替え器
  • VGAケーブルいっぱい (長いものも必要)
  • 電源アダプタいっぱい
  • ケーブルいっぱい

さいごに

長めになって、中身も重複しちゃったりしてると思います。ごめんなさい。。
とにかく時間がかかる動画編集をやって頂いた撮影番長のcojiさん、機材を貸して頂いたすずきさんを始め助けて頂いた方、運営のスタッフのみなさん、講演者のみなさんありがとうございました!